雨実 和兎の小説創作奮闘ブログ

エッセイ・小説・詩・ポエム

十代の鼓動・痛み・混迷

十代の鼓動

 

僕がこの目で見たものは

限りある時の動きでした

僕がこの手ですくったものは

すくえばこぼれる水のようでした

僕のこの手から落ちる血は

悲しくも赤い涙のようでした

僕のこの目から落ちる涙は

僕を生んだ親の涙でした

僕の胸の鼓動の音は

それでも生きたい僕の声です

 

 

 

   痛み

 

ピストルを手に入れた 僕を撃ってみようか

あいつを撃ってみようか

きっと撃たないだろうが

僕を撃ってみても あいつを撃ってみても

同じくらい痛いのだろう

 

 

 

   混迷

 

壊れた心を救ったのは雲のような言葉だった

帰れない時に気付いたのは

言えなかった言葉だった

罪悪感を作ったのは

言ってしまった言葉だった

死に脅え憧れたのは死の先に在る言葉だった

救ったのは神ではなく神を使った言葉だった

言葉を超えた気持ちに憧れ…

 

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