十代の鼓動・痛み・混迷
十代の鼓動
僕がこの目で見たものは
限りある時の動きでした
僕がこの手ですくったものは
すくえばこぼれる水のようでした
僕のこの手から落ちる血は
悲しくも赤い涙のようでした
僕のこの目から落ちる涙は
僕を生んだ親の涙でした
僕の胸の鼓動の音は
それでも生きたい僕の声です
痛み
ピストルを手に入れた 僕を撃ってみようか
あいつを撃ってみようか
きっと撃たないだろうが
僕を撃ってみても あいつを撃ってみても
同じくらい痛いのだろう
混迷
壊れた心を救ったのは雲のような言葉だった
帰れない時に気付いたのは
言えなかった言葉だった
罪悪感を作ったのは
言ってしまった言葉だった
死に脅え憧れたのは死の先に在る言葉だった
救ったのは神ではなく神を使った言葉だった
言葉を超えた気持ちに憧れ…