雨実 和兎の小説創作奮闘ブログ

エッセイ・小説・詩・ポエム

雨のバンドネオン(完結)

作品紹介 雨のバンドネオン(完結)

作品紹介 雨のバンドネオン(完結)目次 学校でのイジメが原因で病院に入院した少年、秋人は入院先でヤンキーの虎太郎と知り合う。住む世界の違う二人が共通の音楽を好きだと知り意気投合。そんな中で虎太郎が恋をした相手は普通の女の子。普通になりたい虎…

15〈エール〉

15〈エール〉 ライブ当日、この日は朝から忙しかった。 メンバー全員で自分達の機材搬入を終えると、マイクテストと音合わせのリハーサル。 先輩バンドに挨拶周りと機材の搬入手伝いをしている合間に、自分達が呼んだ客と場所等の電話のやり取り。 とても休…

14〈新しい1日〉

14〈新しい1日〉 「秋人もっと早く起きないと遅刻するじゃない!」 朝から急かしたてる秋人の母親は小言を言える喜びを噛みしめているようだが、再び高校に行く準備を始める秋人の表情は浮かない。 入院していた頃は虎太郎の存在が悪友達を遠ざけていたが、…

13〈ポリシー〉

13〈ポリシー〉 千夏が手術室に入ると、落ち着かない母親は座るでもなくオロオロと右往左往している。 待つ四人には会話も無く、何か話しだせるような雰囲気ではない。 ただ静かに時間が過ぎていくなか、最初に口を開いたのは父親だった。 「千夏が無断外出…

12〈愛の力〉

12〈愛の力〉 あの花火をした日から数日が過ぎた休日、目前に迫る千夏の手術日よりも先に虎太郎にはどうしても済ませておきたい事が一つ有った。 「オウ、ほんまにそれでええんやな‥‥」 「ウッス‥‥、その時間でお願いします‥‥」 いつになく礼儀正しく話す虎…

11〈天井の無い夜〉

11〈天井の無い夜〉 「俺、上手くなったよな?」 夕方秋人の病室に訪ねて来て質問する虎太郎の雰囲気は、何故だか反論を求めてはいない。 「自分で言ってる内はまだまだだよ~」 質問の意図を読み取れない秋人は笑い飛ばしたが、真剣な表情で一睨みする虎太…

10〈守るべきもの〉

10〈守るべきもの〉 虎太郎が住むこの地域にはハミダシ者達が集まる二つのグループが有り、一つが虎太郎の所属する鉄鬼でもう一つがラファエル。 其の二つは特別に敵対している訳では無いが、大きな抗争を避ける為互いのグループには手を出さないのが暗黙の…

9〈覚悟〉

9〈覚悟〉 「このギターなんぼやった?」 夕方いつものように二人は病院の屋上で作曲に励んでいたが、突然ギターを弾く手を止めた虎太郎が尋ねる。 「そんなに高くなかったよ~、中古で2万位だったかな~」 如何にもボンボンらしい秋人の口振りが癇に障った…

8〈仮タイトル〉

8〈仮タイトル〉 「千夏、コレ届いてたよ」 ベットの上で振り返る千夏は、母親の言葉を待ち構えていたかのように笑顔を返す。 待ちに待った手紙だった。 慌ただしく封を開く千夏を「そんなに急いでも中身は変わらないわよ」と母親は微笑み見つめるが、返事す…

7〈やる気と実力〉

7〈やる気と実力〉 「へ~、もうお客さん来てるよ~」 まだ客足もまばらなライブハウスのホールを見回し、秋人は立ち尽くす。 「早う行くぞ、一組目が始まる」 「無理だよ~、まだ脚こんなだし~」 急かす虎太郎の後を追い秋人が重い防音扉を開くと、中には…

6〈決意と悪意〉

6〈決意と悪意〉 「けど真人間になるって実際どうするの?」 「それを今から考えるんやろが」 昼飯を食べ終えると、秋人は言われるでもなく自然に二人分の食器を片付ける。 「そうだ!この前みたいに見た目から変えれば良いんだよ!例えば髪型とか~」 「ア…

5〈真人間の決断〉

5〈真人間の決断〉 「あ~!解らん!解らんな~!」 千夏と出会った翌日の朝から虎太郎は口癖のように同じ言葉を繰り返しているが、秋人が理由を聞くと「シバくぞ!」と脅し説明しようとはしない。 聞きたくても聞けないもどかしさからか、秋人が視線をチラ…

4〈嘘と夢〉

4〈嘘と夢〉 この日は暇を持て余し尋ねて来た秋人の悪友三人が、我が家のようにくつろぎ病室を占領していた。 「おい~、あんまチラチラ見んなや~」 虎太郎を警戒してか、三人はクスクスと小声で笑い余計に目立っている。 「アイツそれにしてもトイレ遅いな…

3〈オレンジと男らしさ〉

3〈オレンジと男らしさ〉 「お~い!邪魔するで~!!」 「邪魔するんやったら帰ってくれ!」 翌日の正午。 コテコテの関西ノリでお見舞いに来た虎太郎の族仲間竜也に、患者達は苦笑いを噛み殺す。 「ビックリしたわ!虎でも骨折れるんやな~!」 「アホか!…

2〈先生と師範〉

2〈先生と師範〉 夜になると人が居る喫煙所を避けた虎太郎は屋上に上がり、タバコの火を着けようとすると何処からかギターの音が聴こえてくる。 思わず手を止めて聞き耳をたてていると、聴こえてくる曲は虎太郎がいつも聴いている曲。 「上手いやん‥‥」 こぼ…

1〈ボンボンとヤンキー〉

1〈ボンボンとヤンキー〉 「飛~べ!飛~べ!」 「オラッ!度胸試すんちゃうんか~?」 公園前の団地では、悪ふざけする高校生達の威圧的な声と、おちゃらけた手拍子が響く。 「そんな~、無理だよ~」 情けない声を出して愛想笑いを返す秋人は、恐る恐る下…

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