雨実 和兎の小説創作奮闘ブログ

エッセイ・小説・詩・ポエム

59<バカンス野郎>

59<バカンス野郎> 速ぇ。とにかく速ぇ~。 モフモフどころか、乗り心地すら気にする余裕も無ぇ。 とんでもないじゃじゃ馬だ。 走る二匹のクーガーは、まるで制してみよと云わんばかりの勢いで安全なんて皆無。 近くに集まって居たクーガー達も、とっくに見…

58<クーガーの条件>

58<クーガーの条件> 結局人間では、自分だけがデカイ芋虫を食べる羽目に在った。 砂を混ぜた様な食感と、満足気に微笑むゴブリン。 思い出したくもない。 アイツは悪魔だ。 そんな悪夢の晩餐から一夜明け。 先導するガルの三人に付いて行き、エミリとトウ…

57<おもてなし>

57<おもてなし> 「アイツまた強くなってやがる……」 ルミニーとガオンの戦いを観て、呟くルドエルは悔しそうに唇を噛む。 一緒に死地を戦い続け、同じ剣士だからこそ解る違い。 事実ルミニーはキラーアントの大群を倒した事でLVが上がり、更に強くなって…

56<物好き>

56<物好き> 「獣人のガオンさんとコボルトのネズさん。さっき仲間になったモグラさんと魔王さんです」 ルミニーの質問に笑顔で答えるエミリは、魔王という肩書きが禁句だとは思っていなさそうだ。 意外と天然だったのか? 異世界と云えば魔王が討伐対象な…

TVでしか音楽を聴かない人にオススメの歌い手さん CHiCO with HoneyWorks

TVでしか音楽を聴かない人にオススメの歌い手さん CHiCO with HoneyWorks というか有名だな!CHiCO with HoneyWorks 良くユーチューブ観る人なら普通に観たこと在るはずだが TVでしか音楽を聴かない人は知らないかも・・・ なのでオススメである。 恋愛系の…

55<愉快な仲間達>

55<愉快な仲間達> 俺達、魔王一行が洞穴の外に出ると夜だった。 今更だが、洞穴は元々モグラの魔物が住んでいたらしい。 そんなジャイアントモォールという愉快な仲間が増えたが、他の奴等に比べれば害は無いだろう。 俺を見てもネズの様にヨダレを垂らさ…

54<睡魔>

54<睡魔> 立ち塞がるモグラの魔物と俺は向かい合い、今にも戦闘が始まりそうだ。 自分が戦いたいと云わんばかりにガオンが俺を見てくるが、今回はそうはいかないだろう。 やはり異世界は侮れない。 やっと洞穴から出て、帰って眠れるなんて思っていたのが…

53<ネズの反乱>

53<ネズの反乱> 時は戻り、魔王達が洞穴に入った頃。 使役出来そうな骸骨を探せと指示されたネズは、一人で魔王城近くの骸骨探索をしていた。 「グレン樣たら私を頼りにするなんて、本当に食べちゃいたいですわ」 そんな事を呟きながらヨダレを垂らすネズ…

52<今更>

52<今更> 洞穴の行き止まりで心折れた俺達魔王一行が座り込んでいると、近付く異様な音に反応して各々立ち上がり警戒する。 キラーアントと対戦していた時には無かった現象から予想すると、新しい敵の可能性が高い。 そんな事を考えていると大きな音と同時…

51<呼び掛け>

51<呼び掛け> 目が覚めたら洞穴の中だった。 だが山の様に在った蟻の遺体が無いし、洞穴内も少し景色が違う。 確かエミリを庇って、胸を貫かれたから死んだと思ったが。 もう紅い蟻が居ないのはガオンが倒して、魔法とか回復薬で俺を助けて移動したという…

50<未熟者>

50<未熟者> 「こんな事になるなら、来る前にたらふく肉食いたかったぜ」 「喋ってる余裕有るなら、もっと身体動かしな」 戦いながらルドエルは軽口を叩くが、ルミニーの言う様な余裕は無く。 飛び交うキラーアントから、互いに庇い合う戦闘にも限界が来て…

49<鼓舞>

49<鼓舞> 「だから借りても嫌だって言ったのに……」 ぼやきながらも闘技場に駆け寄るルドエルの尻を叩き、ルミニーは笑いながら鼓舞する。 「そんな冗談言ってる場合じゃないよ」 ガルの三人はルミニーとルドエル前衛二人、リジョン後衛一人に並び。 「リジ…

48<貸し一>

48<貸し一> 「少し狭いけど、まるで闘技場みたいですね」 調査隊が最後に着いたのが、あの円形闘技場だった。 見渡すリジョンの言葉に、一行は頷く。 「こんな所で、目一杯魔物と戦ってみたいもんだね」 そう言って闘技場に立つルミニーは、踊る様にステッ…

47<リサイタル>

47<リサイタル> 「こんなに広いのに、めぼしい物が全然無いですね……」 「見付ければラッキー位だから仕方ないよ……」 殆んどの部屋を周り、収穫無しで疲れ切ったリジョンとルドエルの顔には諦めが漂う。 「まあハズレ引いたけど、報酬は貰えるんだし良いん…

TVでしか音楽を聴かない人にオススメの作曲家さん Orangestar

TVでしか音楽を聴かない人にオススメの作曲家さん Orangestar 良くユーチューブ観る人ならボーカロイドが 歌ってる系の動画を目にした事はあるはず 今回は其の作曲家さんにフォーカスしてみたいと思う。 作曲家Orangestarさんはダズビーさんのカバーで知る事…

TVでしか音楽を聴かない人にオススメの歌い手さん DAZBEE

TVでしか音楽を聴かない人にオススメの歌い手さん DAZBEE 良くユーチューブ観る人なら歌ってみた系の動画を目にした事はあるはず 沢山の人に聴いてもらおうとする位だから皆上手いのだが 稀に飛び抜けて凄い人が居て 気が付いたら物凄く有名になってたなんて…

15〈エール〉

15〈エール〉 ライブ当日、この日は朝から忙しかった。 メンバー全員で自分達の機材搬入を終えると、マイクテストと音合わせのリハーサル。 先輩バンドに挨拶周りと機材の搬入手伝いをしている合間に、自分達が呼んだ客と場所等の電話のやり取り。 とても休…

ブログ詩  雨兎・景色

ブログ詩 雨兎・景色 雨兎鳥居潜って二歩三歩踏み入れるは神の領域我はあやかし、夢、幻登る階段、段飛ばし駈け上がるは夢の屍我は人外、雨、兎無くしたモノは返したモノ振り返らない月の先まで-------------------------------- --------------------------…

14〈新しい1日〉

14〈新しい1日〉 「秋人もっと早く起きないと遅刻するじゃない!」 朝から急かしたてる秋人の母親は小言を言える喜びを噛みしめているようだが、再び高校に行く準備を始める秋人の表情は浮かない。 入院していた頃は虎太郎の存在が悪友達を遠ざけていたが、…

13〈ポリシー〉

13〈ポリシー〉 千夏が手術室に入ると、落ち着かない母親は座るでもなくオロオロと右往左往している。 待つ四人には会話も無く、何か話しだせるような雰囲気ではない。 ただ静かに時間が過ぎていくなか、最初に口を開いたのは父親だった。 「千夏が無断外出…

12〈愛の力〉

12〈愛の力〉 あの花火をした日から数日が過ぎた休日、目前に迫る千夏の手術日よりも先に虎太郎にはどうしても済ませておきたい事が一つ有った。 「オウ、ほんまにそれでええんやな‥‥」 「ウッス‥‥、その時間でお願いします‥‥」 いつになく礼儀正しく話す虎…

11〈天井の無い夜〉

11〈天井の無い夜〉 「俺、上手くなったよな?」 夕方秋人の病室に訪ねて来て質問する虎太郎の雰囲気は、何故だか反論を求めてはいない。 「自分で言ってる内はまだまだだよ~」 質問の意図を読み取れない秋人は笑い飛ばしたが、真剣な表情で一睨みする虎太…

10〈守るべきもの〉

10〈守るべきもの〉 虎太郎が住むこの地域にはハミダシ者達が集まる二つのグループが有り、一つが虎太郎の所属する鉄鬼でもう一つがラファエル。 其の二つは特別に敵対している訳では無いが、大きな抗争を避ける為互いのグループには手を出さないのが暗黙の…

副業のLINE連絡する前に観るべき動画

副業のLINE連絡する前に観るべき動画 やる気を出して頑張ろうとしている内容が もしも副業系なら注意しなければいけない 勿論警戒はしているだろうが 其れでも騙されるケースは多い ツイッターやってると副業を誘うDMが沢山来るが どれも大抵は興味を持った…

1「寝相と答え」

1「寝相と答え」 愛してるなんて言うような人柄ではない、例え其れが最後の言葉でも。 せめて今までありがとう位は伝えたいが、いざ其の状況になると難しい事の方が多いかもしれない。 実際に自分の時はそうだった。 動かない自分の姿を見た時はさすがにショ…

9〈覚悟〉

9〈覚悟〉 「このギターなんぼやった?」 夕方いつものように二人は病院の屋上で作曲に励んでいたが、突然ギターを弾く手を止めた虎太郎が尋ねる。 「そんなに高くなかったよ~、中古で2万位だったかな~」 如何にもボンボンらしい秋人の口振りが癇に障った…

8〈仮タイトル〉

8〈仮タイトル〉 「千夏、コレ届いてたよ」 ベットの上で振り返る千夏は、母親の言葉を待ち構えていたかのように笑顔を返す。 待ちに待った手紙だった。 慌ただしく封を開く千夏を「そんなに急いでも中身は変わらないわよ」と母親は微笑み見つめるが、返事す…

7〈やる気と実力〉

7〈やる気と実力〉 「へ~、もうお客さん来てるよ~」 まだ客足もまばらなライブハウスのホールを見回し、秋人は立ち尽くす。 「早う行くぞ、一組目が始まる」 「無理だよ~、まだ脚こんなだし~」 急かす虎太郎の後を追い秋人が重い防音扉を開くと、中には…

6〈決意と悪意〉

6〈決意と悪意〉 「けど真人間になるって実際どうするの?」 「それを今から考えるんやろが」 昼飯を食べ終えると、秋人は言われるでもなく自然に二人分の食器を片付ける。 「そうだ!この前みたいに見た目から変えれば良いんだよ!例えば髪型とか~」 「ア…

46<思惑>

46<思惑> 前回ルミニー達が魔王城に来た時は霧で隠された様に感じたのが不気味だったが、まるで誘い込まれた様な今回は更に異質な不気味さを放っていた。 ルミニーが言っていた其れを感じ取ったガルのメンバーは、同様に口をつぐむ。 調査内容として魔王城…

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